昭和48年頃のAM1バンドの6石トランジスターラジオです。今はPLLシンセサイザー方式のチューナーでしょうが、昔のラジオはバリコンによる同調回路で選局をしていました。東南アジア製の廉価なラジオでしたら今でもバリコンを使っているでしょう。
AMラジオは振幅変調された電波をダイオードで整流し、高周波成分を減衰させればオーディオ信号になるので基本は簡単な回路です。実用的にするには、隣の放送局と混信しないようにすることと、電波が強くなったり弱くなったりしてもおとの大きさに変化を与えないなどが大事でかね。
AMラジオの音質はIF回路によります。特にIFの帯域幅が広い方が良いですね。ですから、セラミックフィルターやIFトランスなどの工夫が音質に影響するところもAMラジオの面白さです。
内部を見るとトランジスターが6個見えます。RF回路・混合回路・IF回路の高周波部分は3石、オーディオ回路は3石で入力トランスと出力トランスを使ったプッシュプル増幅器です。シンプルな回路ですがこれで十分実用に叶うのです。
ソニー製、モデルはTR-3500、ケースサイズは高さ118mm、幅69mm、厚さ32mm。
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