源蔵徳利
通い徳利

この徳利は「源蔵徳利」と云います。名の由来は赤穂浪士の一人赤垣源蔵から来ているようですが詳細は知らない。酒を片手に、討ち入りの日を思い巡らせ刀を握りしめていたのでしょか。
一升の酒が入る大徳利で、昔は酒屋が酒を買いに来た客に貸し出すのに使われており、生地に白釉を掛け鉄釉で商店名を入れたものです。酒屋から客の家まで入ったり来たりするので、通い徳利とも呼ばれています。
江戸時代の中期頃から一般に使われるようになり、この徳利も中村屋酒造店と表記され裏には戸倉の地名が入り、昭和の中頃まで使われていました。一升瓶が出来るとその役割も終えることになります。
この源蔵徳利は美濃の高田焼きと思いますが丈夫に出来てるようで、高さ35cmの台の上から3度転がり落ちましたが下はコンクリートであったにも関わらず、口回りが少し欠けた位で本体はビクともしていません。実に丈夫で実用に叶った徳利であると感心させられました。牡丹徳利

こちらも同様の徳利で、通い徳利は貧乏徳利とも呼ばれています。
この貧乏徳利は「牡丹徳利」と云い波佐見・有田周辺で焼かれたもので、胴の部分に大きな牡丹の絵を白磁に染め付けで描いていのが特徴です。
この徳利はろくろを回して作られたものではなく、型で作られたようです。縦に真ん中から半分にした型を作り、その型で出来た二つを張り合わせる方法をとっているようです。徳利を注視すると縦中央に合わせ目の様に見える痕跡があります。大正から昭和初期に作られたものです。