たこ唐草文徳利
たこ唐草文大徳利

焼き物には、大体、土を焼いた物を陶器と云い、石を焼いた物を磁器と云って二通りがあります。
磁器を代表するものには有田焼があります。
陶器では、志野・織部・黄瀬戸など釉薬を施して強く焼いた物があります。
また、土焼の中でも釉薬をかけずに強く焼いた物を炻器と云い、備前焼・信楽焼等があり、同じく釉薬をかけず低い火度で焼いたものを土器と云い、かわらけ等があります。鮹唐草文

ぐるぐる渦巻き、まるで山野に生えるゼンマイのようにも見える唐草文様は、伊万里を代表する「たこ唐草文」です。
たこ唐草を全面に描いた皿や、回りをたこ唐草で見込みに松竹梅を描いた皿、また、周囲をたこ唐草で埋め尽くした猪口など、たこ唐草文は伊万里の染付の定番となっています。
この大徳利は伊万里ではなく、また、国内で生産された物ではないでしょう。恐らく近年、中国あたりで大量に作られた物の一つと思われます。
唐草の描き方にキレがないですね。全体がダラッとした感じで品位に欠けます。
購入したのは、たしか富士五湖の何処かに行ったとき、湖へ向かう順路の途中で露店販売していたのを見て安く買ったと思います。

焼き物ではやはり伊万里の染付がいいですね、品格があります。色絵や金襴も綺麗で豪華な感じを与えてくれていいんですが、染付にはかなわない。
コバルト一色で単調のようですが、日本人が持っている特有の感性からくるものでしょうか、兎に角染付の器は見ていて飽きが来ないですね。