朱銘のある刀剣の真贋を貴方は気にしますか

古来より、無銘の刀を鑑定して折り紙を発行することを本阿弥家が行ってきましたが、それとは別に、無銘の生中心には朱銘、磨上無銘の中心には金象嵌等で銘の極めを行ったものがあります。真贋を特に気にしなければそのままでも良いでしょうが、刀身とその銘とに違和感がある場合はどうしますか。登録証には、朱銘なり、象嵌銘なりが、銘文欄に記載されています。真贋は本当のところは誰も判らない(その刀を作っているところを見ていないから)けれども、一応は鑑定書などがあれば、それなりに安心感もあります。そこで、鑑定審査の依頼を、日本美術刀剣保存協会へ保存刀剣の審査に出すと具合の悪い結果になる場合があります。
つまり、審査に於いて、中心に書かれた朱銘なりが、刀身の上の出来と相違すると、朱銘の作者のものではないと判断され、偽銘扱いにされてしまことです。審査結果は不合格となります。中心は無銘ですから、偽銘扱いはないだろうと思うのですが。
ではどうするれば良いか、分かり切った事ですが朱銘を消せば良いのです。朱銘と上の出来が違う場合は善意による極めとは思えない場合もあるでしょう。全部消してしまうと、登録証には「xxx(朱銘)」と記載されているので、完全に消してしまうと面倒なことにも成りかねないので、判読出来ない程度に留めます。そのような状態にしてから、保存刀剣の審査に出すが良いと思います。

ここに、朱銘を判読不能状態にして、保存刀剣の審査に出した短刀を紹介します。
正秀の登録証です。登録証には正秀花押(朱銘)とあり、水心子正秀を差しているのでしょう。

朱銘を消していく過程の中心です。一度消して見まましたが、まだ読めそうなので、更に消し判読不能状態にまでしました。ちょっとやり過ぎました。

保存刀剣真結果の一部分です。

正秀の保存刀剣鑑定書です。

$最終編集日:2022年10月4日

作成日:2022-10-03

Expiry date:2052-10-03