日本刀講座の基礎

刀剣鑑賞初心者心得の日本刀講座

刀剣の鑑賞方法は、電球の光を刀身に反射させ、反射位置を移動させながら、電球の光で明るい部分の回りに浮き立つ刃紋を鑑賞します。

日本刀は美術品ですが、同時に武器でもあり、また、大切にしてる所有している方の刀を拝見させて頂くこともあり取り扱いには十分な注意が必要です。その為にも鑑賞作法があります。

日本刀講座では、初心者のために刀剣鑑賞の基礎知識を始め、鑑賞マナーや作法をテキストを使って解説します。その後実際に刀を手に取り鑑賞法を体験します。講座には男子、女子を問わず参加できます。

さあ、貴方も日本刀鑑賞初心者講座に参加して体験してみてください。刀を手にしたとき、その緊張感の中に単なる武器の領域を超越した一千年の歴史を持つ匠の技と美の結晶に、貴方もきっと驚きと感動を覚えることでしょう。

日本刀鑑賞の基本は正座で行います。刀を作った刀工に敬意を表し刀に一礼をして鑑賞します。
服装は自由ですが窮屈にならないものが望ましく、また、刀に傷を付けないために、指輪等は鑑賞時には外して頂くようになります。

禁止行為

刀身は、たかが鉄製の刃物ではありません。刃文や地鉄の美しさを引き出すため、研ぎ師により幾つもの行程を経て磨き上げられた美術品です。その為やってはいけない行為があります。やってしまいがちな事ですからよくよく注意しましょう。

指輪は外しましょう。中心(なかご)は直接手で握る部分です。指輪が中心に擦れて傷を付けてしまうのでだめです。

中心以外は刀身に直接触れない。特に親指でハバキを押さえるとき、ハバキの上部に親指がはみ出すと刀身に指紋をつけてしまいます。
また、鑑賞中のおしゃべりはいけません。唾が飛んだり指が触れると刀身の錆び発生原因になります。

刀身を布で拭いたり擦らない。これは刀身を受けるための布で拭うと、刀身にヒケ傷を付ける原因となる行為です。
人様の大切な刀を拝見させて頂きますから、鑑賞には充分過ぎるほどの注意が肝要ですね。

日本刀鑑賞のための基礎

刀の部位

刀の学習ポイント

日本刀鑑賞が初めての方には覚えることが幾つかあります。まずは刀の部位の名称を覚えましょう。

ここから鑑賞に入っていきます。 先ず、刀に一礼をして拝見します。刀の所有者や刀を鍛えた刀匠に対し敬意を表します。 初めは刀身の姿から見ます。反りの位置や具合、鋒の大きさ、更に元から先への身幅の変化等を覚えます。慣れてくるとこれらの事から、刀の作られた時代を把握することが出来るようになります。 次ぎに地鉄の様子を見ます。これは鉄の鍛え肌を見るもので結構難しいもので見慣れる必要があります。鍛え肌には大きく分けて、柾目・板目・杢目・綾杉肌、さらに新々刀期の無地風の肌等、これらが交じった鍛え肌があります。鍛え肌以外にも地鉄の色、映りなど微妙な変化で製作された国を見極めることもできます。焦らず多くの刀を見て比較しながら覚えていきましょう。 最後に刃文をの特徴を見ます。どの様な形をした刃文であるか、帽子はどの様な形で返りはどうか、横手下の刃紋はどうか、区の刃はどうなっているのか等、刀工の特徴が出る処でもあります。
鑑賞ポイントとしてこうした具合で見ていきます。 また、地域により作り方に伝法があり、これを五ケ伝と云って、大和伝、山城伝、備前伝、美濃伝、相州伝があり、それぞれに特色があります。しかしながら新刀期以降になると物流の発達に伴い人の往来も進み地域性が薄れていくのです。

刀剣の見方鑑賞方法
鑑賞作法は日本刀鑑賞マナー講座を受講するのが一番で、日本美術刀剣保存協会やその協力団体で開催しています。

また、講座から更に進んで鑑定となると問題になるのは刀工名を知らなければ始まらないと云うことです。
刀工は古刀期から新々刀期まで相当いますが、大体300人位の名前は覚えたいところです。徐々に有名刀工から覚えていきましょう。しかし、皆さん鑑定家に成るわけではないでしょうから、著名な刀工の名を知る程度でも大丈夫です。基本的には刀の善し悪しが分かるようになれば申し分のないところです。初めは刀剣専門書籍を購入して専門用語や、基礎知識を学ぶことが大切です。それには多くの種類を揃えている日本美術刀剣保存協会で探すのもよいでしょう。

日本刀作者の名前
刀工名を覚えましょう。
刀剣は時代により区分されていて、平安時代末期から室町時代末期までに作られた刀剣を古刀と呼び、江戸時代からを新刀と呼んでおり、更に、江戸時代の安永ころから幕末乃至明治初年までを新々刀と呼んでいます。
ここでは、これらの各時代で作刀した刀工の名前を表にまとめて分かりやすくなっています。

地鉄の美


武蔵大掾是一の刀身

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刀の学習ポイント

この画像は武蔵大掾是一(ムサシダイジョウコレカズ:江戸時代中期の延宝(1673)頃に江戸で活躍した刀工)の刀身画像です。

作品の地鉄は地景が入り、刃にも現れ金筋となり刃境が判然とせず、刃縁は綾杉肌風となった鍛えで、相州上工、就中則重を意識したものでしょう。

湾れ刃を主調とする相州伝に比べて、本作の互の目を主調とした刃取りは相州伝とは趣を異にしますが、丁子刃を得意とする是一において、常とは違う本作の鍛えは特別な意味深い作品に思えます。