備前焼一陽窯
抹茶茶碗

茶碗の説明

この備前焼茶碗は備前焼らしくない変わった姿形をしている。これは沓形茶碗であり、織部がよく知られいます。備前の土で焼いた沓形茶碗なので、備前焼は釉薬をかけることはしないから刃刀目(ヘラめ)の跡がそのまま現れ荒らしさが出ています。また、見込みの中は牡丹餅になっていますが、自然に出来たものとは違い作為的に焼かれたものであまり感心出来ません。
備前焼は何故釉薬を掛けずに焼くのかと云うと、備前の土は珪酸性であり、焼いた場合の収縮率が大きい性質をもっていることです。これに釉薬を掛けて焼くと、釉薬の方が縮まなくなっても生地の土はまだ縮むのです。その結果割れてしまうことがあると云うことです。
また、この茶碗は窯の焚き口近くにあったようで、たっぷり灰をかぶり、高熱で焼かれたため激しい景色となっています。
織部は形だけでなく色や絵柄をも合わせて、そのデザインが彼の雰囲気を作り出しています。形だけを真似ても、その意図するところには及ばないでしょう。
ここまで激しい景色の茶碗は実用的にはちょっと引いてしまいます。茶碗など直接口にする器では、やはり釉薬を掛けた物が好まれるので、この茶碗は鑑賞用としてはよいと思っています。

作者木村肇のサイン作者は、十三代木村長十郎友敬の次男の木村一陽が昭和22年に分家独立し一陽窯を創設。その二代目木村宏造の次男である木村肇さんです。
一陽窯のお店は、JR赤穂線の伊部駅の駅前通りを北に直進し突き当たったところに店舗があり、良い場所にお店を構えています。

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  • データ
  • 名称 備前茶碗
  • 作者 木村肇
  • 時代 現代 平成
  • 高さ 7.5cm
  • 口径 13.0x11.2cm
  • ※法量には若干誤差がある場合がありますがご了承下さい