九谷焼は土ではなく磁器でできているので石のように硬い焼き物です。陶器など土物に比べ外観での味わいより、むしろ絵柄や配色が重要な見処となっています。九谷焼は緑色と黄色が独特の味わいを出しています。
また、この瓢箪のようなくびれがあることにより、お酒を注ぐとトクトクと音を立てるのが粋な感じでたまりません。色絵椿文盃:佐野隆光作
この盃は、一見、青手と呼ばれる古九谷の一様式に似ていますが、青手は五彩(赤・黄・緑・紺青・紫)の内、二彩もしくは三彩のみの絵具で素地を塗り埋めます。、これは四彩を使っているので色絵(素地の白を残しながら五彩を用いる)に分類される物でしょう。
また、徳利とはペアーではありません。盃と同じ作者の徳利が欲しかったのですが、あいにく物が無いので、徳利は息子の作品を購入した次第です。
盃の作者は隆光窯の佐野隆光さんです。盃は2個頂き箱書きもしてくれました。
また、九谷焼の事情などお話しをお聞きでき、下絵集も見せてくれました。下絵は半透明の用紙に絵の輪郭を描き、それを素焼きした器に貼り、焼き付けるそうです。それに色を塗り焼くということでした。
加賀前田藩百万石の伝統文化を代表する五彩の色絵の九谷焼は、更に金彩を加え豪華さを増した磁器になっています。その製作工程は次のようになっています。九谷焼の工程図
採石→粉砕→水簸(すいひ)→坏土(はいど)→土もみ→成形→仕上・乾燥→素焼→下絵付→施釉→本窯→上絵付→上絵窯→錦窯