現在も生き続ける侍の魂
刀好きの人は、まるで遺伝子に操られているかのように訳もなく刀が好きなのです。
何故なら、彼らの前世は武士だったのです。
鑑定書は、その刀の作者を当てているものではありません。誰も作っている現場を見ている訳ではありません。当てられるわけがない。
要するに、刀工銘をもってそのように見えると云う事です。ただし、鑑定する人は豊富な知識と経験にもとずく専門的な鑑識眼を持っているので尊重出来るのです。
刀剣鑑定証の種類と発行機関の表を下段に示します。
刀剣業者によっては、その刀の正真を保証しますと云って販売している処があります。
保証とは如何様なことでしょうか、正真ではなっかた場合は、売価で買い戻すと云うことなのでしょか。
では、誰の鑑定を以て正真と判断をするのでしょう。
真贋まず、鑑定書って何なのでしょう、一つの刀を、Hと云う鑑定機関が正真と云い、HKと云う鑑定機関は偽銘と云う。また逆もあるでしょう。
本当はどうなの?
誰も製作現場を見ていないので分からない。
只、正真は統計学的に見て、銘を切る鏨使い・焼刃の出来等、作風や手癖が同じ様だということなのでしょう。
ですから、必然的により多くの刀剣の審査を行っている処が正確性が高いと云えるでしょう。
個人で発行しているもの以外は合議制ですから、全員の一致でなくても多数決で決まることです。
誰かが責任を取る訳でもなく、責任のないのが鑑定書です。
ある審査機関では鑑定書に正真とは謳っていない、と云います。しかし、審査規定には合格条件の一つに銘が正しい事、を入れています。正真を謳わない鑑定書ってありなの?何か矛盾を感じます。
現在、一般的に信頼でき(信頼するしかない)評価基準とされる鑑定書は、日本美術刀剣保存協会発行の「保存刀剣鑑定書」以上の鑑定書や指定書と云えるのでしょう。
今でも、特別貴重刀剣認定書(丸特)が付いた刀剣が出回っていますが、これには、保存刀剣の審査に不合格となったため、そのまま古い認定書を付けていると云う事情もあるようです。
無銘刀無銘の刀については別です、無銘には偽銘はありませんから。
無銘刀の極めでは、保存刀剣鑑定書よりも、旧特別貴重刀剣認定書の方がいいですね。今の保存刀剣の審査では、新刀・新々刀で無銘の物にはやたらと「寿命」の極めを付けています。刃紋に互の目がれば殆どが「寿命」と極められてしまうので、旧丸特の極めの方が味わいのある個銘が付けられているので、丸特のままがいいですね。
ですから、丸特の付いた無銘の刀はについては、保存刀剣の審査には出さない方がいいです。出したところで「寿命」では嬉しくありませんから。ただ、保存刀剣に合格すれば、その刀には刃切れが無いことの証明にはなります。
一般の人は、無銘では困る、作者は誰かと要求するので仕方のないことでしょう。
鑑定書の必要性鑑定書は刀を売るため業者にとって必要なものなのです。販売促進のための紙と言ってよいでしょう。
本来なら真贋を見極めるだけでよいはずで、鑑定書にランク付けするのは正に商売に適ったものです。
ここにある物は現在では無くなっている鑑定機関も含んでいます。
鑑定書が付いているからと言って安心ではありません。
ネットオークションはある意味、素人は騙され易いので、被害に遭わないよう注意しなくてはいけません。
刀の偽物だけではありません。鑑定書の偽物まである昨今です。
刀の買い方・選び方が大切となってきます。