刀:藤田永弘

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説明
藤田永弘は周防(山口県)の刀工です。
永弘は備前の加賀介祐永の門人です。永弘の作柄は小板目のよく詰んだ地鉄に丁子乱れを焼いた長船風のものと、板目肌に地景の入った出来のものとがあり、本作は後者の出来口を示すものと云えます。
作品は、尋常な姿の短刀で、地鉄はよく詰んだ柾目鍛えに地沸が厚くついた美しい肌をしており、刃紋は湾れに小互の目を交え沸厚くつき、肌に沸が絡み、湯走り・砂流し激しくかかる力強い出来となり、帽子は乱れ込んで掃きかけ、長く返ります。
また、この短刀には元治の年紀が入っていますが、元治の年号は二年迄でと大変短く(元治は1864年二月八日-1865年四月七日)、元治二年四月七日で慶応元年に改元されます。この元治二年五月日の年紀が入った本短刀はこの様なことからも珍しいです。

  • 銘文(表):真龍子永弘
  •   (裏):元治二年五月日
法量
  • 長さ:28.7cm
  • 反り:0.3cm
  • 元幅:2.79cm
  • 元重ね:0.62cm
  • 時代:江戸時代 末期
  • 国 :周防
  • 地鉄:柾目肌
  • 刃紋:湾れに小互の目
  • 中心:生ぶ、目釘孔一個
  • 鑑定書:保存刀剣鑑定書

※法量には若干誤差がある場合があります

詳細画像

藤田永弘の鑑定書
藤田永弘の刀身表全体
藤田永弘の刀身裏拡大1
藤田永弘の刀身裏拡大2
藤田永弘の刀身裏全体
藤田永弘の刀身表拡大1
藤田永弘の刀身表拡大2
藤田永弘の刃紋拡大