現在も生き続ける侍の魂
刀好きの人は、まるで遺伝子に操られているかのように訳もなく刀が好きなのです。
何故なら、彼らの前世は武士だったのです。
説明
河内守正広は肥前の刀工で新刀上作として有名です。初代河内大掾正広の子で本作の二代正広は橋本弥七郎と云い寛文頃に活躍し元禄十二年八月に没しています。初代正広の父吉信は、初代忠吉の養子となりますが、後に忠吉に実子が産まれたことにより分家となります。吉信没後は正広が跡を継ぎ初代正広となり、正広家は幕末まで連綿と続いていきます。
本作は身幅広く、重ね厚く、反りやや深く、優美な姿をしています。小杢目肌がよく詰んだ鍛えに、刃紋は元を直ぐに焼き出し上は互の目乱れでを焼き、金筋・砂流しがかかり見事な出来で、また一塊の互の目と互の目の谷を直刃で繋ぐ、傍系肥前の特長が良く出ている典型作と云えます。本作は保存刀剣鑑定書が付いていますが、これより上クラスの実力ある刀です。本間薫山先生の鞘書きがあります。傑作の一振りです。
※法量には若干誤差がある場合があります